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Computational Affective Intelligence

CAIとは

計算的感情知能

感情を、AIの認識・推論・生成・内部表現・社会的相互作用まで含めて、計算論的に扱う研究の枠組み。

01 — Definition

定義

Computational Affective Intelligence とは、人間および人工知能における感情・情動を、 表現・認識・推論・生成・学習・利用 という観点から計算論的に理解し、設計する研究領域である。

Computational Affective Intelligence is the study of how affect is represented, inferred, generated, learned, and utilized by artificial intelligence systems.

Affective Computing は伝統的に、「人間の感情を検出する」「感情に反応する」「感情を表現する」といった、人間中心の感情技術を核としてきた。CAIが対象とするのは、人間の感情だけではない。AIが感情をどう表現し、どう解釈し、どう推論し、どう生成するのか。感情に関する不確実性や価値判断を、内部にどう持つのか。そこまでを扱う。

02 — Lineage

感情認識AIの言い換えではない

一般に「感情AI」と呼ばれてきた技術の多くは、下の図の内側の2つにあたる。CAIはそれらを含んだうえで、問いを外側へ広げる。

Computational Affective Intelligence

AIが感情をどう理解し、内部でどう構造化し、推論や意思決定にどう使うかまでを扱う。

Affective Computing

感情を認識・生成・応答する計算システムをつくる。

Emotion Recognition

感情を当てる。

03 — Why now

なぜ、LLMの時代に必要か

これまでの中心は、入力された顔・音声・文章から感情ラベルを推定する問題だった。いまはLLM自身が感情について推論し、人格・価値観・文化によって異なる感情判断をし、感情的な応答を生成する。

そうなると、「認識」だけでは足りない。感情知能そのものを、計算の対象として研究する必要がある。

感情が大気のように社会を包む Affectosphere の時代には、それを読むAIを、センサーとしてではなく、不確実性と限界まで含めた知能として設計しなければならない。

04 — Questions

CAIが問うこと

  1. 1 人間の感情は、AIの内部でどのように表象されるのか。
  2. 2 感情ラベルの曖昧さや個人差を、AIはどう扱うべきか。
  3. 3 LLMは「怒り」「悲しみ」「共感」を、何に基づいて判断しているのか。
  4. 4 AI自身が生成する感情表現には、どんな構造やバイアスがあるのか。
  5. 5 AIに感情状態や感情的推論を持たせることに、意味はあるのか。
  6. 6 人間とAIの感情的相互作用を、どう設計し、どう評価すべきか。
  7. 7 その技術は、社会・倫理・文化にどんな影響を与えるのか。

05 — Structure

4つの層

人間の感情を理解し、AIの内部で計算表現にし、AIがそれで推論・生成・判断し、人と社会のあいだに置き直す。各層の下に、そこで研究しているラボの領域と、その層に置かれる業績の数を示す。

  1. I

    Human Affect

    人間の感情

    人間の感情そのものを理解する層。

    段

    人間の感情を理解する

    ラボの領域

    1 件の業績

  2. II

    Computational Representation

    計算表現

    それを AI の内部で計算可能な形に置く層。

    段

    読み取る・保持する

    ラボの領域

    12 件の業績

  3. III

    Affective Intelligence

    感情知能

    AI がそれを使って推論し、生成し、判断する層。

    段

    考える・形にする

    ラボの領域

    16 件の業績

  4. IV

    Human–AI Society

    人とAIの社会

    それが人と社会のあいだで何を起こすかを扱う層。

    段

    向き合う・社会に据える

    ラボの領域

    12 件の業績

業績は1件ずつ読み、最も貢献している段に1回だけ数えている。